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七二  イエズスは使徒たちに、罪を赦す権利を授けられた



 イエズスさまがご復活なさった日の夕方、弟子たちは、ユダヤ人を恐れて、エルサレムのある家に集まり、戸を固く閉じて、広間にいました。

 するとそこへ突然イエズスさまが入ってこられ、そのまん中に立って、「あなたがたに平安があるように」とあいさつされました。弟子たちは驚き喜びました。イエズスさまはさらに、弟子たちに息を吹きかけてこう言われました。 「聖霊を受けなさい。あなたがたが赦す罪はみな赦される。あなたがたが赦さないでおく罪は、みな赦されない。」


一 イエズスさまは使徒たちに、人間の罪を赦す権利をお授けになりました。この権利は、代々の司教、司祭につぎつぎと譲りつたえられました。神父さまは告解の秘跡を授けるとき、この権利をつかいます。


二 使徒信経第十条に「罪の赦し(を信ずる)」とあります。それは、カトリック教会の司教と司祭は、イエズスさまから、人間の罪を赦す権利をいただいている、ということです。


   告解の秘跡


 罪を犯すとはどういうことですか?

 
罪を犯すとは神さまのお言いつけに従わないことです。神さまのお言いつけは、天主の十戒、公教会の六つのおきてに示されています。

 罪の重さはみな同じですか?

 
罪の重さはみな同じではありません。罪には大罪と小罪があります。

 大罪を犯した人はどのように罰せられますか?

 
大罪を犯せば地獄の罰を受けます。

 小罪を犯した人はどのように罰せられますか?

 
小罪を犯せば煉獄の罰を受けます。


一 告解の秘跡を受けるのは、なんのためですか?

 告解の秘跡を受けるのは、自分の犯した罪を、司祭を通じて、神さまに赦していただくためです。


二 告解の秘跡を受けるためには、どういう準備をしなければなりませんか?

 告解の秘跡を受けるには、 
1 自分の犯した罪をよく調べ、 2 それを心から悔やみ、 3 もう決してするまいと決心し、 4 神父さまに正直に告白し、 5 償いをしなければなりません。 このうち、どの一つを欠いても、完全な告解になりません。


三 告解の秘跡を受ける前には、つぎのように祈りなさい。

 「
聖霊よ。私は自分の犯した罪を正直に言い現し、告解の秘跡をいただきたいと思います。どうぞ自分の罪がよくわかるように、私の心を照らし、私を助けてください」、「天にまします」、「めでたし」


  究明をしましょう 



四 究明とはどういうことですか?

 
究明とは、自分がどんな罪を犯したか、なぜ、その罪はどんなに悪いことかなど、よく考え調べることです。


五 どういう順序で究明をしますか?

 究明をするためには、 
1 天主の十戒にそむいていないか? 2 公教会の六つのおきてにそむいていないか? 3 自分のしなければならないつとめをよくしたか、などの順序で調べます。それぞれの場合、心の中で、口に出して、行いで、また、しなければならないことをしなかったことによって、などを考えます。


六 
大罪については、特に、その犯した数と、犯した事情についてよく調べなければなりません。たとえば人のものを盗んだとき、ただ「私は盗みました」と言うだけでは足りません。どういうつもりで、だれから、何を、どのくらい、どのようにして盗んだかを、告白しなければなりません。天主の第一戒、第三戒、第六戒と、公教会の第三のおきては、それにそむいて罪を犯すことがよくありますから、気をつけて調べなさい。


 痛悔と遷善の決心をしましょう


七 告解の秘跡を受けるとき、一番大切なことはなんですか?

 告解の秘跡を受けるとき、一番大切なことは、痛悔と遷善の決心です。痛悔とは、自分が罪を犯したことを、心から悔やむことで、遷善の決心とは、もうこれからは決して罪を犯すまいと、固く決心することです。痛悔と遷善の決心がなければ、神さまは決して、罪をお赦しになることはありません。


八 痛悔の祈りはていねいに、ひとつひとつのことばをよく考えながらとなえなさい。できれば、十字架のご像やご絵を見ながらするのがよろしい。そして、遷善の決心を固めなさい。


九 痛悔の祈り

 「
イエズスさま。私はたくさんの罪を犯しました。あなたは何よりも罪がおきらいで、罪を犯した人を、きびしく罰します。イエズスさま。あなたは私たちを深く愛して、私たちの罪のために、十字架にかけられました。それなのに私は、またこのような罪を犯して、あなたを苦しめ悲しませています。私は心から後悔しています。もうこれからは決して罪を犯しませんし、罪に陥りそうなこともよけてしません。ですからどうぞイエズスさま。私の罪をお赦しください。



 正直に告白しなさい


十  どんな罪を告白しなければなりませんか?

 
少なくとも大罪は、前にのべたように、その数と事情とを、もれなく告白しなければなりません。小罪はどうしても告白しなければならないとは限りませんが、進んで告白するのはたいそう良い事で、そのためにたくさんのお恵みがいただけます。


十一 告白のとき、もし大罪をかくせば、どうなりますか?
 
 
告白のとき、もし一つでも大罪をかくせば、その罪は赦されないばかりでなく、その上に、汚聖という大罪を重ねることになります。汚聖とは、神さまのことを軽蔑するという恐ろしい罪です。


十二 告白のとき、もし大罪をかくしたなら、そのあとどうしなければなりませんか?

 
告白のとき、もし大罪をかくしたなら、そのあとの告白のとき、その大罪と、それをかくしたことと、そののちに犯した罪をも、残らず告白しなければなりません。


十三 告白のとき、もし大罪を言い忘れたなら、どうしなければなりませんか?

 
告白のとき、大罪を言い忘れても、かくすつもりがなければ、その時は赦されます。けれども、つぎの告白のときは、必ず、その言い忘れた罪をも告白しなければなりません。 




十四 告白が終わってしばらく祈ったあと、司祭は、十字架のしるしをしながら、「われ、父と子と聖霊とのみ名によりてなんじの罪を赦す」ということばで、罪を赦します。このときは、ほかの事を考えずに、よく、今自分の赦されていることを考えなさい。


十五 告解所に入ったなら、ひざまづいて十字架のしるしをし、つぎのように言いなさい。

 
「父と子と聖霊とのみ名によりて。アーメン。神父さまの祝福をお願いします」
 それから、この前はいつ (いつごろ、 - 週間まえ、 - 月まえ、 - 日、など)告白したか、その時の罪は赦されたか、その償いは果たしたか、を言います。それから告白をしなさい。


十六 自分の罪を言い終わったら、つぎのように言いなさい。
 
「いま私の覚えている罪はこれだけです。けれども、覚えていない罪も心から悔やみますどうぞお赦しください。」




 償いを果たしなさい



十七 告解の秘跡を受ければ、地獄の罰は赦されますが、この世か煉獄で受ける罰だけはのこります。それで神父さまは、告解のあとで、その幾分かを償わせるために、お祈りやそのほかの償いを言いつけます。神父さまから言いつけられた償いは、すぐに果たすようにしなさい。


十八 私たちはまた、教皇さまのお定めになった善業を果たすことによって、罰を免除していただくことができます。そのためにきめられた祈りをし、または、十字架の道行き、施しをすること、「天にまします」と「めでたし」と「願わくは」を一度づつとなえること、そのほかいろいろあります。

 赦された罪の罰が免除されることを免償といいます。免償には全免償と部分免償とがあり、全免償というのは、赦された罪の罰がみんな免除されること、また部分免償とは、その罰の一部分が赦されることです。

 免償をいただくためにはいろいろの祈りがありますから、公教会祈祷文をみてごらんなさい。


 
告白前後の祈り



一 告白するまえに、まず、特に聖霊に、つぎのように祈りなさい。

 「聖霊よ。私はこれから告白をいたします。どうぞ自分の犯した罪がよくわかるように私の心を照らし、私を強めてください」、「天にまします」、「めでたし」


 究明



二 天主の十戒について

 第一 
われは主なるなんじの天主なり。われのほか、いかなるものをも天主とすべからず。

究明  なまけて朝夕の祈り、食前食後の祈りをしなかったことはありませんか?ほかの事を考えながらお祈りをしませんでしたか?おみどうでは行儀よくしましたか?お寺や神社などで拝んだり、占いや魔法を信じたりしたことはありませんか?


第二 
なんじ、主なる天主の名をみだりに呼ぶなかれ。

究明  なんでもない事やつまらないことに、神さまを引き合いに出しませんでしたか?冗談やふざけた話しに、神さまや聖人たちのことを言いませんでしたか?


第三 
なんじ、安息日を聖日とすべきことを覚ゆべし。

究明  日曜日と守るべき祝日に、御ミサを怠けませんでしたか?遅刻したことはありませんか?日曜日にくたびれるほど遊びすぎませんでしたか?


第四 
なんじ、父母を敬うべし。

究明  お父さまやお母さまのお言いつけを素直に聞きますか?さからったことはありませんか?目上の人、年上のおとなの言うことをよく聞きますか?失礼をしたことはありませんか?


第五 
なんじ、殺すなかれ。

究明  人をぶったりいじめたりしたことはありませんか?人をののしったり恥ずかしめたりしませんでしたか?悪いことに誘いませんでしたか?自殺をしたいと思ったりしませんでしたか?人を殺したり傷つけたりすることはもちろん、避妊や堕胎も大罪です。


第六 
なんじ、姦淫するなかれ。

究明  見苦しいことや汚い話を喜んで見たり聞いたりしたことはありませんでしたか?おのれひとりあるいは他人とともに貞潔を損なう事はありませんでしたか?わが身あるいは他人の身に触れて貞潔を損なう事はありませんでしたか?


第七 
なんじ盗むなかれ。

究明  人の物を盗みませんでしたか?拾った物を黙って自分のものにしませんでしたか?人のものをわざといためたり傷つけたりしませんでしたか?


第八 
なんじ、偽証するなかれ。

究明  人の告げ口をしたことはありませんか?だれかの悪口を言いふらしたりしたことはありませんか? うそをついたことはありませんか?


第九 
なんじ、人の妻を恋うるなかれ。
第十 
なんじ、人の持ち物をみだりに望むなかれ。    


究明  見苦しいことや汚いことを、しようと思ったことはありませんか?人のものをむやみに欲しがったことはありませんか?


三 公教会の六つのおきてから。


第三 
少なくとも年に一度は必ず告白すべし。

第四 
少なくとも年に一度は、ご復活祭のころに御聖体を受くべし。

究明  よく告解をしていますか?ご復活祭のころに御聖体をいただきましたか?(ご復活祭のころというのは七旬節の主日 - ご復活祭前約七十日ごろの日曜日 - から三位一体の祝日 - 聖霊降臨のつぎの日曜日 - までの間をさします。)大罪を犯したままで御聖体拝領したことはありませんか?


第六 
金曜日及びその他定められたる期日には、小斉を守るべし。

究明  小斉にきめられた日に、知っていながら鳥やけものの肉を食べたことはありませんか?


四 七つの罪源から

 
七つの罪源とは、傲慢、貪欲、嫉妬、邪淫、貪食、憤怒、怠惰です。

究明  自分をえらいと思ったことはありませんか?人のものをほしがったり物を惜しんだりしたことはありませんか?人をうらやんだりねたんだりしたことはありませんか?食べ過ぎはしませんでしたか?わがままやかんしゃくを起こしたり、つまらぬことに怒ったことはありませんか?自分のしなければならないことや、学校の勉強を怠けませんでしたか?


五 犯した罪をもう一度、心の中でくりかえして、よく考えなさい。


 痛悔と遷善の決心をしなさい。    



六 痛悔の祈り

 「
神さま。私はたくさんの罪を犯しました。あなたは罪を何よりもおきらいになり、どんな小さい罪でも、罰せられます。

 大罪を犯した人を恐ろしい地獄の火に投げおとし、小罪を犯した人を、煉獄の苦しみの炎にかけられます。この世に生きている間にも、さまざまな災いや不安をお与えになります。私は自分の罪のために、どんなに恐ろしい罰を受けなければならないのでしょうか。

 
救い主イエズスさま。あなたは私を愛してくださり、私の罪をあがなうために、十字架の上で苦しみをお受けになりました。ゲッセマネでは血の汗を流され、からだじゅうにむち打ちの傷を受け、あまたには、いばらの冠のするどいとげが、何本もささりました。その傷ついたからだに重い十字架をになわされ、手足には太いくぎが打ち込まれました。イエズスさま。なぜあなたは、こんなにひどい苦しみをお受けに
なったのでしょう。それはみな、私の犯した罪の償いのためでした。それなのにいま、私はその深いおん愛を忘れて、罪を犯してしまいました。なんという私は不孝な子でしょう。
どうぞ私をお赦しください。私は今から罪を全くすてます。今までたびたびみこころを悲しませたことを、心から、悔やんでいます。どうぞお赦しください。私はもう罪ばかりでなく、罪に誘われそうなことまで。いっさい近づきません。どうぞ私のこの決心を、祝福してください。
私の心を清めてください。


 自分はどんな罪をいちばんたくさん犯したか?なぜ犯したか?今からこのことによく気をつけます。

 
哀れみ深い神さま。私はもう一度、心から悔やみます。どうぞ私の罪をお赦しください。


七 自分の告白の番がくるまで、告解所のそばで、ほかのことを考えずに、お祈りしながら待ちなさい。


 正直に告白しなさい



八 告白は正直に、隠さずに、言いわけをしないで、そのままに言いなさい。正直に告白すれば、神さまは喜ばれます。そして神父さまも喜ばれますし、あなたの心は平和になります。もし大罪をかくそうという気が起こったら、死のこと、神さまの審判のこと、地獄のことを思いなさい。どんな小さいことでも、神さまに隠せることは何もありません。

九 神父さまのおさとしは、イエズスさまがおさとしになるのだと思って、よく聞きなさい。そのあと、償いを言い渡されますから、聞き落としてはいけません。神父さまが十字架のしるしをして罪の赦しを与えるとき、自分も十字架のしるしをします。


 償いを果たしなさい



十  イエズスさまは神父さまを通じて、あなたの罪を赦してくださいました。告解所を出たら、すぐに償いの祈りをして、つぎのように、心からイエズスさまに感謝しなさい。


十一 「
哀れみ深いイエズスさま。罪によごれていた私の心は、あなたが十字架の上で流されたおん血によって、いま、すっかり清められました。あなたは司祭のことばで私の罪を赦され、失われていた恩恵の宝を、またかえしてくださいました。イエズスさま。私の暗い心は明るくなり、弱い心は強くなりました。

 救い主イエズスさま。あなたはなんというおん哀れみの深いおかたでしょう。
あなたは私を愛して、私の犯したたくさんの罪を、みな忘れてくださいました。私はなんと言って感謝すればよいのでしょう。もうこれからは決して、罪を犯してみこころを悲しませるようなことはいたしません。どうぞイエズスさま。私のこの決心を祝福してください。悪魔と私の心の悪欲が、私を罪にひきいれようとするときは、いつもあなたのみこころのおん愛を思い起こさせてください。どんなことがあっても、あなたから離れないように、私をお守りください。

 
愛するマリアさま。私の心はいま告解で清められました。どうぞこの清められた心を、また罪でよごすことのないように、私の手をとって導いてください。

 守護の天使、保護の聖人。私のためにお祈りください。」


十二 告白のあとはしばらくおみどうにいてお祈りするがよろしい。そしていま神父さまから聞いたおさとしをよく考え、御聖体のイエズスさまとよくお話しし。これから罪を犯さないようにするためにはどうしたらよいか、それについて固い決心をたてなさい。


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